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会社の譲渡先、「同業」と「異業種」はどちらが良い?

最近、会社の譲渡を検討し始めました。良い会社に会社を譲れたら、私は引き継ぎが終わり次第引退して、あとは今の役員・従業員たちが主体となり、買収した会社と共に成長していってほしいと考えています。

そこで相談ですが、譲渡先として「同業・関連業の会社」と「異業種の会社」では、どちらが望ましいのでしょうか。特長や考え方を教えてください。

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同業か異業種かも大事ですが、M&Aで何を実現したいかも重要です。

譲渡のご相談に来られた方々から、「買い手企業として、同業と異業種のどちらが良いか?」というご質問をよくいただきます。その際に私は、「背景に何かありますか?」とお聞きします。そうすると「高値で売却できるのはどちらか?」「会社が成長できるのはどちらか?」「自社の社風を維持するには?」などと聞かれます。実は同業か異業種かよりも、そうしたご希望がかなえられる買い手企業と出会えるのかどうかが、ご質問の本質である場合も多いのです。

そのようなことも踏まえつつ、譲渡企業から見た「同業・関連業とのM&A」と「異業種とのM&A」の一般的な傾向を整理してみました(表)。

譲渡企業から見た「同業・関連業とのM&A」と「異業種とのM&A」の一般的な傾向

買い手が「同業・関連業」の場合 買い手が「異業種」の場合
・事業や業界への理解が深く、M&A後の事業引き継ぎや組織融和がスムーズに進むことが期待できる。
・M&A前に想定されていた事業シナジーを発揮しやすい。
・譲渡企業の経営の自主性が尊重され、M&A後も経営を任されやすい。
・買い手企業が、譲渡企業のノウハウや人材に敬意を払ってくれる。

例えば、同業の会社に譲渡すれば、双方ともその業界での経営に長けていますから、相乗効果を生み出せる可能性は高いでしょう。譲渡企業と買い手企業の合意次第ですが、両社の重複する間接部門を統合することで、コストダウン効果を見込めることもあります。譲渡企業にはない買い手企業の経営資源を活用し、新たな成長機会を作ることもできるでしょう。

一方で、異業種の会社への譲渡は、買い手企業にとっては新規事業への参入に当たるケースが多くなります。譲渡企業の業界についての知識・見識が乏しい場合は、譲渡企業の経営の自主性が尊重され、譲渡後も経営を任されることが多いです。買い手企業が譲渡企業のノウハウや人材に敬意をもって接してくれるというお話もよく聞きます。

ただし、このような傾向は、あくまでも一般論としてお考え下さい。実際には、そうでないケースもたくさんあります。

M&Aの本質は、譲渡企業のオーナー様の想いやご要望を実現することです。例えば「同業も異業種も関係ない。一円でも高く会社を買ってくれる相手を探してほしい」といったご希望や、「同業ではなく、自社と相乗効果が生まれそうな異業種に譲りたい」といったご希望でも全く問題ございません。譲渡オーナー様からさまざまなご要望をお伺いし、ご希望がかなう買い手企業を探索するのが、M&A専門会社ならではの役割です。ぜひ、お気軽にご相談ください。