資本業務提携
ABOUT M&A
資本業務提携とは
資本業務提携とは、資本参加を伴う業務提携をいいます。増資の引き受けなどにより、一定の株式を持つことで、単なる業務提携 (アライアンス) に比べ、より強い関係を作ることができます。
大企業と同じように、魅力的な中堅・中小企業があれば、取引先などから「資本業務提携したい」という提案を受けるケースもあるでしょう。これもM&Aのひとつととらえることができます (広義のM&A)。
資本を受け入れる側にとっても、商圏の拡大や商品の共同開発など、成長の種を自社の経営資源のみとするのではなく、他社との協力関係を構築することによって、より発展させることができます。
資本業務提携のメリット・デメリット
メリット
業務提携は簡単に提携したり解約することができますが、資本業務提携では、経営に参画してもらったり、財務面で支援してもらうなど、より強力な関係を構築することができ、(狭義の) M&Aに近い効果が得られます。
デメリット
資本を受け入れ株主になってもらうことは、経営に一定の参加権を与えることになるため、機密情報などの情報開示も含め、どの程度の出資比率とするか、社内戦略上、明確にする必要があります。
資本業務提携で出資を受け入れるときの注意点
株主は、原則として所有する株式の割合に応じて、株主総会で議決権を行使できます。例えば、議決権の3%以上を取得した場合、帳簿閲覧権を行使することが出来ます。
議決権の過半数を取得すれば、取締役の選任・解任や配当の決定などの可否が可能となり、議決権の2/3以上を取得すれば、M&Aや定款変更の可否が可能となります。
一定割合以上の議決権を保有する株主には「少数株主権」という権利が会社法上認められており、また原則として、議決権の20%~50%未満を所有する場合は、「持分法適用会社」となります。
提携を行なう際には、「どの程度の出資比率を与えるか」、「相手企業と長期に渡り関係を維持できるか」といった点に注意する必要があるといえるでしょう。
持株比率ごとの支配権(全体)
持株比率 | 支配権の内容 | 条文 |
---|---|---|
~10% | 検査役選任請求権(1%) 帳簿閲覧権(3%) 会社解散請求権(10%) |
会社法433条 会社法306条 会社法833条 |
20% | 連結財務諸表の持分適用 | 会社計算規則103条 |
1/3超 | 特別決議の否決 | 会社法309条 |
過半数 | 株主総会の普通決議 (以下、主な決議事項) 取締役の選任・解任 取締役・監査役の報酬の決定 利益処分案 (配当額など) の決定 |
会社法309条 |
2/3超 | 株主総会の特別決議 (以下、主な決議事項) 定款変更 第三者割当増資 (株式譲渡制限会社の場合) 事業譲渡、合併、株式分割、株式交換 |
会社法309条 |
持株比率ごとの支配権(出資側)
保有割合 | 株主の権利 | 条文 |
---|---|---|
1株以上 | 会社組織に関する行為無効訴権 新株発行差止請求権 代表訴訟提起権 取締役の違法行為差止請求権 |
会社法828条 会社法210条 会社法847条 |
総株主の議決権1%以上もしくは300個以上の議決権 | 総会議題、議案提案権 | 会社法303条 会社法305条 |
総株主の議決権1%以上 | 総会検査役選任請求権 | 会社法306条 |
総株主の議決権3%以上 | 株主総会招集請求権 取締役等の定款授権による免責に対する異議申出権 |
会社法297条 会社法426条5 |
総株主の議決権3%以上もしくは発行済株式3%以上 | 会計帳簿閲覧・謄写請求権 取締役、監査役等の解任請求権 |
会社法433条1 会社法854条 |
総株主の議決権10%以上もしくは発行済株式10%以上 | 解散判決請求権 | 会社法833条1 |
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