M&A NEWS

2022/02/18

シャープ<6753>、液晶パネル製造の堺ディスプレイプロダクトを再子会社化へ

シャープは18日、大型液晶パネルを製造する堺ディスプレイプロダクト(SDP、堺市。売上高1052億円、営業利益△416億円、純資産138億円)を子会社として復帰させると発表した。シャープはSDPの株式20%を持つ。海外投資ファンドのサモアWorld Praise Limitedが保有する株式80%を取得し、完全子会社化する方向で協議に入る予定。シャープは昨年2月にSDPの全保有株式を売却する方針を発表したが、直後に売却を撤回した経緯がある。

今回、一転してSDPの再子会社化を目指す理由として、テレビ事業・業務用ディスプレー事業の世界的な拡大に取り組むうえで高品位パネルの安定的な調達が重要であることや、大型液晶パネル市場で大きなシェアを持つ中国が米中貿易摩擦の最中にあり、米州市場向けのパネル供給で優位性が期待できることなどを挙げている。

SDPは2009年に約4300億円を投じて、「第10世代」以上に対応した大型液晶パネル工場として稼働。しかし、液晶事業を取り巻く環境変化に伴い、巨額投資が裏目に出て、シャープは経営危機に陥った。シャープは2016年に台湾の電子機器受託製造(EMS)世界最大手の鴻海精密工業の傘下に入り、SDPの所有もシャープから離れ、曲折を経てきた。

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