M&A用語集

IRR（アイアールアール）とは「内部収益率」を指す言葉で、英語の「Internal Rate of Return」の頭文字を取った略称である。投資の収益性を評価する指標の一つであり、投資金額の現在価値と、当該投資により得られるキャッシュフローの現在価値合計が等しくなる割引率をいう。

IRRを用いることで、投資した資金が回収されるまでどのくらいの期間を要するか考慮しながら、投資の効率性を測定することが可能だ。なお、IRRが高くなるのは、同一の金額を回収できたとしても利益が短期間で得られる場合となる。

たとえば、以下の2つの金融商品は、最終的に得られる利益は同一だが、利益を手にできる時期が異なる。

【商品1】投資額50万円／投資期間5年
・投資期間満了時（5年後）に50万円＋利益10万円が戻ってくる
【商品2】投資額50万円／投資期間5年
・年1回配当として2.5万円ずつ得られ、計4回で合計10万円の利益が確定し、投資期間満了の5年後に50万円が戻ってくる

上記2商品であれば、早期に配当として利益を得られる【商品2】のほうがIRRは高いと言える。

いまある50万円は、投資によって50万円よりさらに多く増やすことができる。しかし、現在の50万円に対し、投資してから1年経過したあとの50万円は金額は同じでも価値が変化するという考え方をする。つまり、仮に同じ利益を受け取ることになったとしても、それを遅くに手にするよりはできるだけ早期に得られたほうが得だとみなすものである。
利益を早く得られる投資ほど「収益率が高い」と考えることができ、早期に利益を手にできる状態を「IRRが高い」と呼ぶことができる。