解決策と課題

解決策と課題

廃業

廃業にメリットなし
誰にとっても寂しい結末にしかなりえない

後継者が見つからず、廃業という道を選ぶ経営者の方は少なくありません。しかし、廃業にはマイナスの要素しかありません。廃業して得をすることは何もない、といっても過言ではないのです。

廃業してしまうと、これまで築き上げてきた実績もノウハウも技術も顧客基盤も無に帰し、社員は職を失ってしまいます。取引先にも迷惑がかかります。廃業を告知したその日から売り上げは右肩下がりで落ちていくため、赤字がふくらんで、在庫や機械、不動産などの資産価値も著しく下がってしまいます。
何より、手塩にかけて育ててきた会社がなくなってしまうのは、経営者にとって身を切るよりつらいことでしょう。
廃業して得をする人、喜ぶ人がいるでしょうか? 廃業は誰にとっても寂しい結末にしかなりえないのです。

廃業すると資産価値も大幅に低下
「きれいにたたむ」のは至難のワザ

よく「だれにも迷惑をかけず、会社をきれいにたたむ」といいますが、実際のところ、黒字の企業であっても、きれいに廃業するのは簡単ではありません。資産価値が著しく下がってしまうからです。
在庫は叩き売り価格になり、機械などは売れればいいほうで、処分費用がかかることもあります。社屋や工場も安値で売ることになるケースが多く、更地にしなければ売れないこともめずらしくありません。完全に廃業するまで、操業赤字がふくらみ、加えて退職金などを支払っていると、現実にはキャッシュが手元に残ればまだいいほうで、個人資産を投入しなければ借入金を返済できなくなることもあるのです。

「だれにも迷惑をかけず」については、言うまでもありませんが、社員や取引先に何の影響も与えず廃業することは不可能です。特に社員には、転職先を世話したとしても、その人生を大きく左右してしまうことになるでしょう。

M&Aと廃業を比較してみても、廃業にはやはりプラスの要素は見つかりません。

日本社会・経済という大きな視点から考えても、その社の技術やノウハウが断絶し、雇用が失われてしまう廃業はマイナスでしかありません。
「後継者がいない=廃業」は間違いです。手立ては必ずあるはずなので、廃業は最後の手段と考えて、廃業を選ぶ前に存続の道を探ってほしいと思います。