INTERVIEW

二人で酒を酌み交わしながら、まだ名前も決まっていない合弁会社の将来を語り合った

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愛須社長と河原社長

ジェイズ・コミュニケーション株式会社 愛須 社長
CLINKS株式会社 河原 社長

2012年11月21日、情報セキュリティシステムを手掛けるジェイズ・コミュニケーション株式会社とITアウトソーシングやエンジニア派遣を手掛けるCLINKS株式会社は、共同で、ITエンジニアサービス事業を目的とするジェイシーテクノロジー株式会社を設立した。
今回は、ジェイズ・コミュニケーションの愛須康之社長とCLINKSの河原浩介社長に、合弁会社設立の意図や経緯についてお話を伺った。

それぞれのビジネスモデルやノウハウのみならず企業文化も融合させて合弁会社を設立

合弁会社設立のきっかけは?

ジェイズ・コミュニケーションの愛須社長
ジェイズ・コミュニケーションの愛須社長。
「新しい事業をゼロから立ち上げるのは難しい。異なる経営資源を持つ会社と合弁会社を設立するというアライアンス形態は非常に有効だと思います」

愛須社長:弊社は以前から、ITエンジニアサービス会社と業務提携したいとストライクさんに相談をしていました。そんな折に、ストライクさんからCLINKSという会社があるので会ってみてはどうかとお引き合わせいただいたのが始まりです。

後で分かったことですが、実はCLINKSさんも自社の業務を拡大するに当たり、パートナーとなる企業を探しているので紹介してほしいと、相談していたそうです(笑)。

弊社としては、新しい事業を我々で立ち上げるとしたら、何もない所から始めなければならない。もし優秀な事業部長クラスを一人採用したとしても、組織をゼロから作り上げていくことは時間もかかり、難しいですよね。今回の立ち上げにおいては、CLINKSさんから複数の経験者が弊社に来てくださり、ビジネスモデルやノウハウだけでなく、チャレンジスピリッツに溢れた企業文化までも持ち寄ってくださった。設立後、それがとても大事なことだったのだと気付きました。とても弊社だけでは設立できなかったと思います。

今回設立した合弁会社ジェイシーテクノロジーは、CLINKSさんと同業態ですが、顧客を奪い合う可能性はないのでしょうか?

CLINKSの河原社長
CLINKSの河原社長。 「話がまとまったのは非常に早かった。愛須社長と意気投合して話がスムーズに進んだことが大きな理由だと思っています。 新会社の事業計画も前倒しで進んでいます。」

河原社長:実は、ITエンジニアサービス事業は、競合があまり発生しない業界なのです。というのも、IT業界がどんどん大きくなっているにもかかわらず、ITエンジニアの数が足りない。不足する人員を同業他社にお願いしたり、逆に弊社から人を提供して融通し合う、そんな背景がありました。

したがって、ジェイシーテクノロジーでITエンジニアを採用・教育し、人材を確保すれば、CLINKSとしても他社と協業するよりもメリットがあるだろうと考えたのです。

今回の合弁会社設立のアイデアをストライクさんに伝えたところ、ジェイズ・コミュニケーションさんを紹介してもらうことができました。

弊社の業績は順調に推移していました。しかし、それ以上を目指そうとすると、足かせになったのが資金力でした。人材採用や教育研修のノウハウについては自信がありますが、一気に事業を拡大しようとすると、人材採用のための思い切った投資が必要になります。弊社には人材採用と教育研修という強みがありますので、ジェイズ・コミュニケーションさんの資金力が組み合わさると、双方のメリットが生まれるのではないかと感じたのです。

二人で酒を酌み交わしながら、まだ名前も決まっていない合弁会社の将来を語り合った

合弁会社の立ち上げ、今後の展開について教えてください。

河原社長:話がまとまったのは非常に早かったです。昨年の夏から協議を開始して、3ヵ月後の11月にはジェイシーテクノロジーを設立していました。愛須社長と意気投合して話がスムーズに進んだことが大きな理由だと思っています。時には飲みに行って、まだ名前も決まっていなかったジェイシーテクノロジーの将来を語り合ったりもしました。

立ち上げ時には、最初に双方の役割分担や目標を明確にしました。資金についてはジェイズ・コミュニケーションさんにお任せする一方で、現場のオペレーションについては我々にご一任いただいており、営業利益目標の達成に向けて邁進しています。慢性的に人が足りない事業分野なので、計画も前倒しで進んでいます。


愛須社長:立ち上げは順調すぎるくらいです。エンジニア派遣業において一番重要なのは人員の確保ですが、多くのエンジニアがジェイシーテクノロジーを職場に選んでくれています。将来的には、200名体制とすることを目標に据えています。

トップ同士の信頼関係がなければ問題が生じる
双方のメリットや役割分担を明確にすることも重要

今後、合弁会社設立を考える経営者の方々に一言アドバイスをお願いします。

愛須社長と河原社長
新会社ジェイシーテクノロジーは2012年11月にスタート。双方の役割分担や目標を明確にすることで、順調な滑り出しを見せているという。

河原社長:双方のメリットが明確であること、また相手との信用・信頼関係を築くことが重要だと思います。加えて、役割分担や目標を明確にしておくことも重要です。

愛須社長:ベンチャー企業にとって、既存事業をおいて新しい事業分野に挑戦することは困難がつきまといます。しかし、異なる経営資源を持つ会社と合弁会社を設立するというアライアンス形態は非常に有効です。

ただ、合弁相手となるパートナーが信頼できるかどうかが重要でしょう。トップ同士の信頼関係が構築できなければ、必ず問題が発生するはずです。ジェイシーテクノロジーが順調に設立までこぎつけ、事業展開スピードを加速できたのも、ストライクさんの紹介で河原社長というパートナーを得られたからこそだと思っています。

本日はありがとうございました。

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