ESG

環境への取り組み状況

環境への取り組み状況

当社の事業活動では環境への負荷は大きくないとは認識しているものの、微力でも環境貢献できるよう下記の活動を推進しています。

【取り組み例】

1. ビジネスカジュアルの促進

省エネ活動を促進するとともに、気候変動対応に備えるため、ビジネスカジュアル制度の促進。

2. 紙の削減へ

廃棄物削減を目的とし、情報のデータ化、データによる情報の授受を促進。各種の社内決裁システムの導入により不要な紙出力を抑制に向けた対応を実施。

3. 環境に優しい事務用品の導入

再生資源を利用用品、植物由来プラスチック製用品、脱プラスチック用品との利用促進。

4. 非化石エネルギーの利用促進

東京本社にて賃貸会社の協力のもと、非化石エネルギーの利用を開始予定。

TCFD提言に基づく情報開示

  1. ガバナンス
  2. 戦略
  3. リスクマネジメント
  4. 指標と目標

ガバナンス

当社では、サステナビリティに関する当社の課題を抽出し、組織としての対応を促進するための組織として「サステナビリティ推進委員会」を設置しています。

サステナビリティ推進委員会は、SDGsを意識したサステナビリティ全般の対応に加え、TCFD提言で要請されているリスクと機会の特定、シナリオ分析、温室効果ガス排出量の算定等を実施し、取締役会への報告を行う等、気候関連課題に対するモニタリングを実施しています。

取締役会は、気候変動問題への取組状況についての報告を受け、サステナビリティ推進委員会に対して取組方針を指示しています。

戦略

気候変動に伴って将来生じる可能性のある当社のリスク・機会について、TCFD提言に沿ったリスク・機会を特定し、重要度の評価を行いました。リスク・機会の特定に当たっては、2030年(短期)、2050年(中期)、2100年(長期)を想定し、以下のシナリオを使用しました。

- IEA(国際エネルギー機関) 1.5℃上昇(NZE2050)、2℃上昇(APS)
- IPCC(気候変動に関する政府間パネル) 1.5℃上昇(SSP1)、2℃上昇(SSP1、RCP2.6)、4℃上昇(SSP5、RCP8.5)

重要度は「確からしさ」と「影響の大きさ」の観点からスコア化することで評価しました。

- 確からしさ:外部レポート、過去に生じた影響、当社の計画・方針等から判定
- 影響の大きさ:

【リスク】 影響の深刻度、主部門への影響、影響の範囲等から判定

【機会】  市場規模、売上への影響、競争優位性等から判定

特定されたリスク・機会のうち、特に重要なものは次に示す表のとおりです。

重要なリスク
主なリスク 事業への影響 重要度 発現時期 主な対応策
1.5℃
/2℃シナリオ
4℃
シナリオ
移行リスク 政策・法規制リスク 炭素税・賦課金や排出量取引制度の拡大 化石燃料由来のエネルギー使用にかかる炭素税の税金や排出量取引の追加コストが発生する。 短中期 ・GHG排出量削減活動の推進
排出量目標達成のため、排出権取引や証書(クレジット)購入等のコストが増加する。また、報告に係る事務手続きのコストが増加する。 ・GHG排出量削減活動の推進
市場リスク 気候変動に関する顧客の環境意識の高まり 環境リスクのある企業への投資が減少することで、売上が減少する。 ・環境に配慮した事業活動の推進
物理的リスク 急性リスク 台風・豪雨・洪水等の気候変動による災害の頻発化、激甚化 当社や顧客(買収先、譲渡先)のオフィスが被災、あるいは、それらを繋ぐ交通インフラや情報インフラが影響を受けた場合、事業が停止する。 中~高 中長期 ・拠点の防災・減災対策の推進、テレワーク・シェアオフィスの活用
慢性リスク 海面上昇 拠点が高潮の被害に遭うリスクが増加し、オフィス移転の追加コストが発生する。 ・拠点の移転、防災・減災対策の推進、テレワーク・シェアオフィスの活用
重要な機会
主な機会 事業への影響 重要度 発現時期 主な対応策
1.5℃
/2℃シナリオ
4℃
シナリオ
機会 製品/サービス 気候変動に伴う低炭素商品・サービス開発企業のM&Aニーズの増加 低炭素商品・サービスの開発を手掛ける企業の増加により、M&Aを検討する企業が増えることにより、M&Aニーズが増加する。 中~高 短中期 ・低炭素商品・サービス開発企業のM&Aニーズの把握
市場 気候変動に伴う企業のM&Aニーズの増加 脱炭素化が進行し、脱炭素・低炭素に貢献する事業分野の事業拡大や事業創出を図る企業(ベンチャー企業を含む)が増え、M&Aニーズが増加する。 ・脱炭素・低炭素事業に係るM&Aニーズの把握
脱炭素化が進行し、顧客の事業においてCO2排出量を低減する必要性が高まり、M&Aニーズが増加する。 中~高 ・脱炭素のためのM&Aニーズの把握
気候変動に対する顧客の意識が高まり、気候変動に関連した事業への投資に係る需要が増え、M&Aニーズが増加する。 中~高 ・気候変動に関連したM&Aニーズの把握
環境意識の高まりにより、企業へのESG関連の対応が更に求められ、事業の廃業を検討する企業が増え、M&Aニーズが増加する。 ・気候変動に関連したM&Aニーズの把握
市場における気候変動を加味した取引条件が設定されることにより、資本力が大きな企業との提携を希望する会社が増え、M&Aニーズが増加する。 ・気候変動に関連したM&Aニーズの把握
事業インパクト評価

重要度が高く、試算可能なリスクについて、移行リスクとして炭素税導入による追加コスト、物理的リスクとして洪水・高潮発生時の拠点の浸水による追加コスト(オフィス代替費用)を試算しました。試算に当たっては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)と国際エネルギー機関(IEA)の情報に基づき、1.5℃/2℃上昇、4℃上昇を想定したシナリオを使用しました。

使用するシナリオ群

温度上昇帯
(2100年)
IEA
WEO
IPCC
RCP
IPCC
SSP
4℃上昇 RCP8.5 SSP5(化石燃料依存)-8.5
2℃上昇 APS(ネットゼロ宣言国は全て達成) RCP2.6 SSP1(持続可能性重視)-2.6
1.5℃上昇 NZE(2050年ネットゼロ達成) SSP1(持続可能性重視)-1.9
使用する財務影響試算 炭素税導入 洪水 高潮

1850~1900年を基準とした世界平均気温の変化

1850~1900年を基準とした世界平均気温の変化の図

出典:気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書(AR6)第1作業部会報告書気候変動2021に当社追記

①税制度(炭素税等)導入による追加コスト[移行リスク]

国際エネルギー機関(IEA)の情報に基づき、当社の拠点において、エネルギー消費に伴い排出される温室効果ガス排出量に応じて課税される追加コストを算定しました。

1.5℃上昇シナリオで追加コストが大きくなり、2050年の影響は約6.3百万円となりましたが、2022年9月期の経常利益に対して1%未満であり、気候変動の影響は小さいことがわかりました。

リスク シナリオ 財務影響
(金額(百万円))
財務影響
(対 経常利益(%))
2030年(短期) 2050年(中期) 2030年(短期) 2050年(中期)
炭素税導入 1.5℃上昇 3.5 6.3 0.084 0.149
2℃上昇 3.4 5.0 0.081 0.119

・計算方法

現在の二酸化炭素排出量×将来の炭素税価格

・使用した炭素税価格の将来シナリオ

IEA(国際エネルギー機関)が提供するWorld Energy Outlook2022に記載される下記シナリオを採用。
・1.5℃上昇:NZE2050(Net Zero Emissions by 2050 Scenario)
・2℃上昇:APS(Announced Pledges Scenario)

②高潮発生時の拠点の浸水による追加コスト(オフィス代替費用)[物理的リスク]

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が提供する将来予測データを用いて、当社の拠点が、洪水又は高潮で浸水被害を受けた場合、事業継続に必要な代替オフィスの借り上げ費(追加コスト)を算定しました。

当社の全拠点について、現況の洪水・高潮のハザードマップを重ねた結果、洪水のみの影響による浸水被害の試算対象となる拠点はなかったため、高潮を対象に試算しました。

4℃上昇シナリオで追加コストが大きくなり、2100年の影響は約24百万円となりましたが、2022年9月期の経常利益に対して1%未満であり、気候変動の影響は小さいことがわかりました。

リスク シナリオ 財務影響
(金額(百万円))
財務影響
(対 経常利益(%))
2030年
(短期)
2050年
(中期)
2100年
(長期)
2030年
(短期)
2050年
(中期)
2100年
(長期)
高潮による拠点の浸水 1.5℃上昇 2.617 2.631 2.838 0.062 0.062 0.067
2℃上昇 7.458 7.458 9.066 0.176 0.176 0.215
4℃上昇 12.919 15.064 24.232 0.306 0.356 0.573

・計算方法

自然災害による追加コスト(将来-現在)を計算
追加コストは、公的機関が公表するデータを用いて洪水・高潮発生時の各拠点の浸水深を判定し、
浸水被害実績に基づく国の算定方法に準拠して、拠点別にオフィス代替費用を試算。

・使用した浸水深の将来シナリオ

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が提供する下記シナリオを採用。
高潮:AR6(第6次評価報告書)のSSPシナリオ(1.5℃、2℃、4℃上昇相当)

リスクマネジメント

気候変動関連を含む全社的なリスクの管理は、管理部担当取締役が統括しており、重要な方針については経営会議、取締役会への報告を行っています。

気候変動関連のリスクについては、「サステナビリティ推進委員会」において、TCFD提言に沿って気候関連リスクとリスクに対応する機会の洗い出しを行い、取締役会への報告を行う等、気候関連課題に対するモニタリングを実施しています。また、特定したリスクと機会は、確からしさと影響の大きさから重要度を評価し、重要と評価されたリスクと機会については、取締役会に報告し、全社的なリスク管理の対象に組み込み、対応しています。

指標と目標

当社では、2022年9月期における当社事業(単体)に伴う温室効果ガス排出量を、国際基準であるGHGプロトコルに準拠して算定しました。2022年9月期におけるScope1、Scope2、Scope3の排出量は以下のとおりです。

区分 排出量 (tCO2)
Scope1(燃料の燃焼)(※1) 18
Scope2(電気の使用)(※2) ロケーション基準(※3) 71
マーケット基準(※4) 128
Scope2(熱の使用) 39
Scope3 1,991
計(Scope1+2+3) (ロケーション基準) 2,119
(マーケット基準) 2,176

対象:㈱ストライク単体、2022年9月期(2021年10月~2022年9月)

算定基準:GHGプロトコルに基づく算定

算定範囲:Scope1(燃料の燃焼)、Scope2(電気・熱の使用)、Scope3(サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量)

※1:ガソリンの年間使用量×ガソリンの単位発熱量×ガソリンのCO2排出係数×44/12
ガソリンの単位発熱量、各燃料のCO2排出係数は、「地球温暖化対策の推進に関する法律」の「温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度」に基づく値を採用

※2:東京本社については、2022年7~9月の期間、トラッキング付き非化石証書で購入した電力割当量を電気使用量から相殺

※3:平均的な排出係数(令和2年度全国平均係数)に基づき算定

※4:「地球温暖化対策の推進に関する法律で定められた」電気事業者別の調整後排出係数(令和4年度報告用)に基づき算定

Scope3 カテゴリ 排出量(tCO2) 割合(%)
1.購入した製品・サービス 1,106 55.6
2.資本財 - -
3.Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動(※1) 33 1.7
4.輸送、配送(上流) - -
5.事業から出る廃棄物 0 0.0
6.出張 806 40.5
7.雇用者の通勤 43 2.2
8.リース資産(上流)(※2) 0 0.0
9.輸送、配送(下流) - -
10.販売した製品の加工 - -
11.販売した製品の使用 - -
12.販売した製品の廃棄 - -
13.リース資産(下流) - -
14.フランチャイズ - -
15.投資 - -
Scope3総排出量(※3) 1,991 100

「-」は算定対象外

※1:ガソリン使用由来の排出量を含まず(全体の0.2%相当)

※2:レンタルオフィス使用による排出量

※3:端数処理の関係でカテゴリごとの値の合計と一致しない場合がある

GHG排出量の割合

GHG排出量の割合

当社では、気候関連のリスクと機会をマネジメントするため、2050年カーボンニュートラルに向けて、当社事業に伴う温室効果ガス排出量の削減に努めています。
2022年9月期の温室効果ガス排出量の算定結果を踏まえ、中期的な目標を以下のとおり設定しました。

対象:GHG排出量(Scope1+Scope2の総量)

目標:2030年9月期に基準年比50%削減(※基準年:2022年9月期)