日立製作所は、知能ロボットシステムを開発するベンチャー企業のKyoto Robotics(キョウトロボティクス)の発行済み株式約96%を取得し、子会社化したと発表した。買収額は非公表。
Kyoto Roboticは画像処理技術をベースに物体を認識する「3次元ビジョン」などを開発しており、国内で400台以上の知能ロボットシステム納入実績がある。
日立はこの買収によって高度な知能ロボットシステムの技術・ノウハウを獲得し、ロジスティクス・FA分野の自動化ライン全体に対してロボットSI(システムインテグレーション)をワンストップかつスピーディーに提供可能となる。
Kyoto Roboticは立命館大学発のベンチャー企業で、2000年12月に有限会社三次元メディアとして設立。2002年にJAFCOから1億円を調達。2009年8月に、しがぎんリース・キャピタルと中信ベンチャーキャピタルから3600万円、2011年3月にエンゼルキャピタルから3000万円、2015年3月に豊田通商、オムロンベンチャーズ、SMBCベンチャーキャピタルから1億3200万円、2016年5月には産業革新機構、スパークス・グループ・トヨタ自動車・三井住友銀行の3社が出資する「未来創生ファンド」、三菱UFJキャピタルから7億円と、相次いで資金調達を行っていた。
創業者の徐剛(ジョ・ゴウ)社長は、中国の江蘇省出身。南京工学院(現在の東南大学)を卒業後来日し、1989年大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程で工学博士を取得。
大阪大学助手・講師を経て、1996年度に立命館大学助教授、2001年度より同大教授、2017年度より休職し、当社の経営に専念していたようだ。