近鉄グループホールディングスは13日、近鉄エクスプレスの完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買付代金は最大1680億円。近鉄グループHDは現在、近鉄エクスプレスの株式47%余り(間接保有を含む)を保有し、持ち分法適用関連会社としている。コロナ禍や米中対立、ウクライナ危機などで国際物流を取り巻く環境が大きく変化する中で、近鉄グループ全体で経営資源の最適配分を行える体制づくりが重要と判断した。近鉄エクスプレスはTOBに賛同している。
買付価格は1株につき4175円。TOB公表前日の終値3025円に38.02%のプレミアムを加えた。買付予定数は4024万1756株。買付予定数の下限は所有割合22.56%にあたる1624万2600株。買付期間は5月16日~7月5日。決済の開始日は7月12日。公開買付代理人は野村証券。
近鉄エクスプレスは1948年に近畿日本鉄道に発足した業務局観光部にさかのぼり、国際貨物・旅客の取り扱いを始めた。航空事業が1955年に設立された近畿日本ツーリストに引き継がれ、1970年に同社から近鉄航空貨物として独立した。日本初の航空貨物専業会社とされ、1989年に現在の近鉄エクスプレスに社名を変更した。2002年に東証2部、03年に東証1部に上場(2022年4月に東証プライムに移管)。