帝人は医薬品子会社の帝人ファーマ(東京都千代田区)を通じて、武田薬品工業から2型糖尿病治療薬4製品の日本における製造販売承認と特許などの関連資産を取得することを決めた。取得価額は1330億円。帝人ファーマは代謝・循環器を重点疾患領域の1つとしており、ブランド力のある糖尿病治療薬を取り込むことで、医薬品事業の基盤維持・強化につなげる。
取得予定日は2021年4月1日。帝人ファーマは同日付で対象4製品の販売を引き継ぎ、その後、製造販売承認を承継する予定。
帝人ファーマが取得する2型糖尿病治療薬は「ネシーナ錠」「リオベル配合錠」「イニシンク配合錠」「ザファテック錠」で、経口で血糖降下作用をもたらすDPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ-4)阻害剤とその配合剤を含む製品群で、インスリン不足などの特徴がある2型糖尿病患者に国内外で使われている。直近売上高は308億円。武田薬品は譲渡後も引き続き当該製品を製造し、帝人ファーマに供給する。
武田薬品はかつて糖尿病治療薬を重点領域としていたが、現在はノンコア(非中核)の位置づけ。2019年に6兆円超を投じたアイルランド製薬大手シャイア―の買収で膨らんだ負債の圧縮に充てる。