パイプドHDは28日、MBO(経営陣による買収)を再度実施し、株式を非公開化すると発表した。同社は昨年11月にMBOを目的としたTOB(株式公開買い付け)が不成立に終わっている。前回と同様、国内投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ(AP、東京都港区)と組むが、主要株主の一部と応募契約を交わすなどTOB成立に万全を期した。買付代金は最大95億8340万円。
買付主体はAP傘下のミライサイテキグループ(東京都港区)。パイプドHD株の買付価格は前回と同じ1株2800円。今回のTOB公表前日の終値は2784円で、プレミアムは0.57%にとどまる。
買付予定数は342万2642株。買付予定数の下限は所有割合9.89%にあたる78万3400株で、パイプドHD社長で35.63%を持つ筆頭株主の佐谷宣昭氏と、第2位株主が持つ21.14%と合わせ、3分の2(66.6%)を超える水準に設定した。第2位の株主はTOB成立後に全保有株をAP側に譲渡する。最終的に、非公開化された新「パイプドHD」の株主構成はAP側67%、佐谷氏33%とする予定。
買付期間は6月29日~8月9日。決済の開始日は8月17日。公開買付代理人は大和証券。
パイプドHDはTOBに賛同している。TOBが成立すれば、東証スタンダード市場への上場が廃止となる。
パイプドHDはクラウドを活用したデータ管理プラットフォーム「スパイラル」を中心に事業展開する。DX(デジタルトランスフォーメーション)化をめぐる競争環境が一層激しく変化することが予想される中で、中長期的な観点から成長戦略を推し進めるには非公開化が必要と判断している。