インフロニア・ホールディングスは22日、海洋土木大手で持ち分法適用関連会社の東洋建設にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。インフロニア・HDは傘下の前田建設工業を通じて20%余りの株式を保有しているが、TOBで完全子会社化を目指す。買付代金は最大579億6596万円。グループの旗印とする総合インフラサービス企業への取り組みを加速させる狙い。東洋建設はTOBに賛同しており、TOBが成立すれば、東証1部への上場は廃止となる。
買付価格は1株につき770円で、TOB公表前営業日の終値599円に28.55%のプレミアムを加えた。買付予定数は7528万468株。買付予定数の下限は所有割合46.47%にあたる4383株7790株に設定した。買付期間は3月23日~5月9日。決済の開始日は5月16日。公開買付代理人は大和証券。
インフロニア・HDは2021年10月に、前田建設工業を中核に前田道路、前田製作所の3社が経営統合して発足した。前田建設は2003年に東洋建設に20%超を出資し、以来、持ち分法適用関連会社としてきた。
同社を完全子会社として取り込み、今後予定される港湾インフラのコンセッション(民間事業者による公共施設運営)事業や、洋上風力発電など再生可能エネルギー事業で、東洋建設が得意とする港湾・海上分野の技術・ノウハウを最大限引き出す。
東洋建設は1929年に兵庫県西宮市鳴尾地区の埋め立て事業を目的とする阪神築港として発足。その後、海洋土木工事を本格展開。1964年に東洋建設に社名変更するとともに、東証1部に上場した。